本機構と白川静氏

目 次

1 文字文化機構と白川静氏
2 文字講話・新文字講話事業
3 宇佐美公有氏と白川静氏
4 本研究所が8年間主催した「文字講話」「新文字講話」
5 病床の白川先生をお見舞いー最後のお別れになるとはー
6 白川先生をしのぶ会
7 文字講話資料


1 文化機構と白川静氏

 白川静先生は、当研究所発足時から宇佐美公有氏との関係で深く
かかわってきました。特に文字講話は、宇佐美公有氏とともに歩ん
だ歴史でもありました。
一回ごとに手書きの原稿を送られたものを文字文化研究所で校正・
製本し、講演会当日に配布しました。
 また、講演記録も映像で残し、文字講話の冊子づくりに生かし
てきました。

 平成九年から所長・理事長就任し、本機構の宇佐美氏との企画要望に
応じ、本研究所の多くの講演会も開催した。

 特に、本機構(文字文化研究所)
主催の「文字講話」の講演会には、
本研究所の宇佐美氏が中心となり、
企画・の運営され、
20回の講演会をまた「新文字講話」
4回開催することができた。
 また、すべての講演会の記録(録画
テープ起し等)も私財を投げ打って、
『文字講話』全7巻・『新文字講話録』
全4巻・『文字講話板書解説集』全5巻
の編集・監修を行った。 

 

2 文字講話・新文字講話事業

 当文字文化研究所(本機構の旧名称)が主催し、全国的に注目された「文字講話」「続文字講話」が大好評のうちに24回、無事に終了しました。
 当時は、研究所として企画・運営はゆうまでもなく、レジメ、案内、会場等々、多忙を極めた宇佐美公有氏の尽力によって運営されたものでした。
 二十四回の講話を終えた時、公有氏は、やっと白川先生のための事業として成し遂げた満足感と疲れがどっと出たそうです。
 また、白川静「文字講話録]  全7巻、白川静「新文字講話録]  全4巻、白川静「文字講話」板書 解説集 全5巻も監修・編集を行いました。

3 宇佐美公有氏と白川静氏

 白川静先生は、宇佐美公有氏が立ち上げた文字文化研究所(本機構前身)当初から関わってきました。又、理事長に就任後、本文化研究所主催の「文字講話シリーズ」24回を公有氏の全面的支援を受け実施。また文化勲章受章に当たり、公有氏の支援も大きく受けた。

昭和62年 6月 6日  任意の文化団体として文字文化研究所」を設立、初代所長 中田 勇次郎 就任            評議員 白川 静  就任 

平成 2年 1月 8日   所長・理事長 中田 勇次郎 就任

平成 6年 5月22日  本研究所主催の講演会「漢字文化について」白川 静  

平成 9年 8月19日   日中国交正常化25周年記念事業で 本研究所の白川 静講演

平成 9年 9月10日   所長・理事長 白川 静 就任

平成10年 8月20日  本研究所主催の第8回訪中団の団長 白川 静

平成11年 3月14日  本研究所主催の白川静 第1回 「文字講話」の講演会開始

平成12年 1月    本研究所主催「白川静先生,勲二等瑞宝章受章祝賀会」

平成16年 1月11日   本研究所主催白川静[文字講話」の講演会20回終了

平成16年10月10日  本研究所主催「白川静・新シリーズ文字講話」の講演会スタート

平成17年 6月11日  本研究所主催「白川静先生 文化勲章受賞祝賀会」

平成17年 7月 1日   所長・理事長 上平 貢 就任 最高顧問 白川 静 就任

平成17年 7月10日  本研究所主催の「白川静・新シリーズ文字講話」4回講演会終了

平成18年 10月30日  白川静先生御逝去

平成19年 2月18日   本研究所主催の白川静先生を偲ぶ会
                            (以下略)

4 本研究所が8年間主催した「文字講話」「新文字講話」

 本機構では、「文字講話」の講話をまとめた「文字講話録」7巻と「文字講話板書解説集」全5巻をまとめ発刊ました。

平成十年度
 第一回「文字講話」〔文字以前〕

平成十一年度
 第二回「文字講話」〔人体に関する文字〕
 第三回「文字講話」〔身分と職掌〕   
 第四回「文字講話」〔数について〕   

平成十二年度
 第五回「文字講話」〔自然と神話〕   
 第六回「文字講話」〔原始の宗教〕   
 第七回「文字講話」〔祭祀について〕  
 第八回「文字講話」〔国家と社会〕   

平成十三年度
 第九回「文字講話」〔原始法について〕 
 第十回「文字講話」〔戦争について〕  
 第十一回「文字講話」〔都邑と道路〕  
 第十二回「文字講話」〔生活と医術〕  

平成十四年度
 第十三回「文字講話」〔歌謡と舞楽〕
 第十四回「文字講話」〔人の一生〕
 第十五回「文字講話」〔思想について〕
 第十六回「文字講話」〔感覚〕  

平成十五年度
 第十七回「文字講話」〔載書字説〕
 第十八回「文字講話」〔文字の構造法〕
 第十九回「文字講話」〔聲系について〕
 第二十回「文字講話」〔漢字の将来〕 

平成十六年度
 第一回「新文字講話」〔甲骨文について〕 
 第二回「新文字講話」〔金文についてⅠ〕

平成 十七年度
 第三回「新文字講話」 [金文についてⅡ] 
 第四回「新文字講話」 [金文についてⅢ] 

5 白川先生をしのぶ会

本機構主催「偉人・白川静先生を偲ぶひととき  ご冥福を祈り150人が足跡を回顧」

漢字研究の第一人者、文化勲章受章の文字文化
研究所最高顧問白川静先 生は、十八年十月三十
日ご他界になり
当研究所関係者をはじめ、各方面からも多くの
惜しむ声が聞かれました。

当研究所では、先生ゆかりの人たちが集ま り、
在りし日を偲ぶ会を、さる二月十八日京 都市
のホテル「日航プリンセス京都」で催しました。
 各地から先生を敬愛する大変多くの方の参
加がありました。

 会場には、先生のにこやかなお顔の遺影が
季節の花に囲まれて飾られ、全員が黙祷を捧
げたあと、山本史也常務理事が「白川先生の
業績は巨大。現在、漢字の普及が重要な意義
をもつことを示唆された。

 その意志を継ぐのが私たちの責務である」と、
恩師への思いを込めて熱っぽくお別れの挨拶
をのべ、人々の胸を打ちました。



一週間ぐらいしたら退院できると思うので、その時に話をしよう」その言葉を聞き私は心の中で涙した。慙愧に耐えない思いが身体中を駆け巡った。
 九月三十日に立命館大学が中川会館の中に設置を約束した白川静研究室の完成を楽しみにされ、京都市主催の講演会の中で、そのことを聴講者に嬉しそうに話されていたことを思い出しながら‥‥。
 今から考えるとそれだけが心残りであったのだろうか。病床に入って先生のお顔を見て死期が迫っていることを察した。先生は「今は何の治療もしていないので、近い内に帰れると思う。その時話したいこともあるので来るように」と言われたが‥‥。
帰りがけに服部先生や慈子に握手し笑顔で「ありがとう」と名残惜しそうに声をかけられたのが、この世の最後にお会いできた先生のお姿であった。

6 病床の白川先生をお見舞いー最後のお別れになるとはー

 宇佐美公有氏がの綴った記録から 

 主治医より白川先生が会いたがっておられるので、病院にこられるように先生の伝言の連絡があった。主治医の話によると病状はあんまり快方に向かっておられず、
早めの訪問をすすめられた。とりあえず、服部和子理事に内田病院長を経由して、白川先生の面会の承諾を得てお見舞いに行くこととなった。
 十月十二日、病床の先生を服部和子理事と家内の三人でお見舞いに行き、
「よく来てくれたか。みんなに知らせてくれ」とか、
優しい眼差しで、幼少の頃、福井の家でお兄さんがお謡いを習っていた時のことや、
これからの学校教育における学年別配当文字の不合理や新字体のことなど中心に絶え間なく訴えるかのように語られた。
 その間しっかりと私の手を握っておられ、
「漢字普及や学校教育における指導法は君たちでなければできない。頼むよ」また「幼児教育をして欲しいと頼んだが、こんなに早く実現できたのは君のお陰だ。ありがとう」
また、「漢字の普及活動も文字文化研究所でないと推進できない。立命館では無理だったよ」といわれ、握った手に力が入る。
 私が「これからも立命館と協力して白川文字学を定着させますからご安心してください」
と申し上げると「頼むよ」とか、生前に先生のお宅で字通や字統の解説や字形について、
色々訂正や補足のお話をしていたことがあった。いずれ改訂版で修正をするお気持ちであった件について、「もう私は退院できそうだ。何にも治療しないんだよ、少し良くなったようだ。宇佐美君、
一週間ぐらいしたら退院できると思うので、その時に話をしよう」
 その言葉を聞き私は心の中で涙した。慙愧に耐えない思いが身体中を駆け巡った。
 九月三十日に立命館大学が中川会館の中に設置を約束した白川静研究室の完成を楽しみにされ、京都市主催の講演会の中で、そのことを聴講者に嬉しそうに話されていたことを思い出しながら‥‥。
 今から考えるとそれだけが心残りであったのだろうか。病床に入って先生のお顔を見て死期が迫っていることを察した。先生は「今は何の治療もしていないので、近い内に帰れると思う。その時話したいこともあるので来るように」と言われたが‥‥。
帰りがけに服部先生や慈子に握手し笑顔で「ありがとう」と名残惜しそうに声をかけられたのが、この世の最後にお会いできた先生のお姿であった。

7 文字講話資料

白川先生の直筆板書・原稿資料
 文字講話は、宇佐美公有氏とともに歩んだ歴史でもありました。案内状作成し、発送や一回ごとに手書きの原稿を送られたものを文字文化研究所で校正・製本し、講演会当日に配布しました。また、講演記録も映像で残し文字講話の冊子づくりに生かしてきました。
 文字講話等の模造紙に書かれた解説の板書は機構で300枚余りも貴重な資料として、本機構では大切に保管しています。





















 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 白川静先生 直筆 文字講話 原稿