○ 会報誌
・年3回、会報誌を発行 ・カラー版 各回20頁前後 ・年間の行事やお知らせなど多岐にわたって情報を掲載




○ 所報(研究誌)年1回 ○ 会報 年3回 ○ 30周年記念誌 臨時
○ 所報 (研究誌)
・研究成果を1年に1回研究員が紙上にて研究発表
第1号 27年度
「漢字の字源を探るということ」研究員 神戸 一朗
1 はじめに
2 文字とは何か
3 甲骨文字の造字について
4 字形の分析
5 字音の分析
6 おわりに
第2号 28年度
「白川静の新編断代譜について」
研究員 矢口 道夫
1 西周期断代の現状と問題
2 西周年表比較
3 暦法・干支・月相
4 白川先生の新編断代譜
5 まとめ
3号 29年度
「現在使用される新字体の字形はどのような約束を基に作られたのか」についての考察
研究員 伊藤 直樹
はじめに
1 行書などの早書きからの作字
2 一字のうちある部分を省略しての作字
3 筆画の微変化による作字
4 一~三の複合による作字 ・
5 草体略化からの作字 ・
6 音の通用、もしくは義のつながりからの作字
7 その他 ・
まとめ
第4号 30年度
「仮借・転注・形声について」
研究員 神戸 一朗
はじめに
1 文字とは何か?
2 意味と言葉を区別する
3 言葉の意味を図象に書く
4 形のない語(概念語・形式語)の図象化
5 「仮借」という方法の発見
6 あまりにも軽視されている「仮借」発見の意味
7 「仮借」は用字法なのか?
8 今なお象形文字を使い続ける中国語
9 「仮借」の発明によって「形声」という方法が可能になる
10 「仮借」と「転注」~甲骨文字に「形声」字はあったのか
11 「形声」と「転注」を区別する ・・・・・・
おわりに
第5号 令和元年度
「字形と文字の構造と字源学習について」
研究員 矢口 道夫
1 はじめに
2 文科省における字形の考え方
3 字形の意味するところ
4 六書の不整合
5 象形文字の学習
6 文字の構造と字源学習について
7 おわりに
8 参考文献 ・資料
・ご希望の方は、送料等を振り込めば、お送りします。 ただし、会員登録すれば、会報 と同封して無料で発送致します。
○ 記念誌
文字文化研究所が宇佐美公有氏によって設立されて30年となった記念として、平成29年11月に発刊しました。
約120頁のカラー版で、会員及び多くの方ご協力により発刊することができました。
記念誌発刊に当たって
漢字の学習は知性を磨く
会長 大国 義一
昭和六十二年(一九八七)六月に日本文字文化研究所が民間の文化団体として創設されて以来、創立者の宇佐美公有氏は精力的に活動され、
間もなく認定非営利活動法人として京都府及び国税庁長官より認定をうけました。
平成二十二年(二〇一〇)には日本文字文化機構と改称し,
文字文化研究所を付設とする組織に拡充されましたが
、非常に残念なことに宇佐美公有氏が不治の難病に躍られ
平成二十八年(二〇一六)一旦は解散をせざるを得ませんでした。
しかし消滅を惜しむ声があちこちで上がり関係する人達が集まり、
名称も目的や活動もそのまま受け継ぎ認定非営利活動法人の解散と同時に民間の文化団体として再出発しました。
認定非営利活動法人も創立以来大いに活動の場を広げ成果もありましたが
苦しい時もありました。
本年創立三十周年を迎えるにあたり、
本機構の活動に人生をかけられた宇佐美公有氏ご夫妻,機構を支えて下さった、会員、役員、講師、ご寄付頂いた個人や団体の方々、そして変わることなく支援して頂いた行政機関の方々に厚く御礼を申し上げます。
ところで、この機に日本文字文化研究所の設立の趣旨と活動を振り返ってみます。
祝 辞

素晴らしき文字文化を次世代へ」
京都市長 門 川 大 作
「活力ある文化を創造するためには,あまり 制 限を加えない方がよい。
自由に遊ばせるのが よい。遊ぶことによって,自己衝迫が生まれ,新しい世界が開くものである」。
生涯にわたって漢字を研究され,九十四才にして文化勲章を受章された故白川静先生が,
漢字文化についてお話しされた際の言葉です。
日本文字文化機構の皆様は,
その白川静先生が提唱された「白川文字学」をはじめとする文字文化の研究に取り組まれるとともにそれらを次代へ継承するための御活動を長きにわたって展開してこられました。
この度,貴機構が創立30周年の節目を迎えられましたことを,
心からお慶び申し上げますとともに,大國義一会長をはじめとする歴代役員
並びに会員の皆様に深く敬意を表します。
また,貴機構の御活動を長年にわたり牽引してこられた故宇佐美公有先生におかれましては,本市の小中学校での漢字教室や,
生涯学習総合センターにおける市民を対象とした講演等に積極的に取り組まれ,
本市の学校教育・生涯学習の発展に多大なる御貢献をいただきました。
この場をお借りして,心から感謝申し上げます。
さて,本年4月,東山区に文化庁の地域文化創生本部が創設されました。京都を本庁とする機能強化された新たな文化庁が誕生します。文化行政の大きな転換点となるでしょう。
京都が果たすべき責任は大きく,
本市でも,今年度を「世界の文化首都・京都」元年と位置付け,文化を基軸としてあらゆる政策分野を融合した施策・事業を推進しているところです。
我が国の歴史を紐解いてみますと,ここ京都で,
日本史を代表する多種多様な文化が生み出されてきました。
平安時代における貴族の華やかな暮らしが反映された国風文化,公家文化と武家文化が融合した室町文化,町民を主体とした明るい文化が花開いた江戸時代の元禄文化・・・。
各時代において,文学・美術・建築・芸能等の様々な分野で新たな文化が誕生し,
それらは今も人々の暮らしの中に色濃く息づいています。
その中で,文字は新たな文化形成の元になり,
またその発展の歴史を記録する媒体として,なくてはならない存在でした。
今後も貴機構の皆様が中心となって,日本の大切な文化である文字文化を未来へと受け継いでいかれることを念じています。
本市といたしましても,世界中の人々に「日本に,世界に京都があってよかった」と感じてもらえるよう,京都から活力ある文化を創造し,世界に発信すべく全力を尽くしてまいりますので,引き続き多方面での御支援・御協力をお願い申し上げます。
結びに,貴機構の今後ますますの御発展,
並びに皆様の御健勝と御多幸を心から祈念いたします。
